「ねぇ、ジューダスって誰のストーカーなの?」



彼の名は、仮面ストーカー。



それは、ちょうどアイグレッテ港に向かっている時のことだった。
あたりも暗くなってきたので、食事をとることにしたのだ。

新しく仲間になったジューダス・リアラが静かに食事をとるので、自然と場は静かになっていた。
そんな食事の最中に、突然カイルが発した言葉。


「いや、だってさぁ、ジューダスは別にストーカーじゃないのに、なんか可哀想かなぁって・・。」

「おい、カイル〜、そんな面白い称号が”可哀想”だなんてさぁ・・。」
「え・・だって・・、ストーカーだなんて言われたくないでしょ、普通。」
「だっ、だったら俺の”ふられマン”ってのはいいのかよ!?」
「それはー、ロニだから良いんだよ!真実だし!!」
「なっ・・何ぃー!?おい、カイル!ジューダスとリアラが仲間になってから、なんか俺に冷たくないか!?」
「そう?」
「あぁ!俺よりジューダスの方が良いって事かよ!」

「うん。」

一通り会話が流れ、再び沈黙が訪れる。
幼い頃から、共に育ってきたのに、突然現れた訳の分からない仮面負けたのだ。
さすがのロニも、相当ショックだったらしく、返す言葉が無いようだった。
そんなロニに、更に追い討ちをかけるようにカイルは続けた。


「なんかさ、ダリルシェイド地下で初めて会った時から、カッコイイなーって思ってたんだよねー。
それに、助けてくれたし!強いしねー!」

「カイル、食事はしずかにとれ。」

2人の会話の話題だったジューダスが、ロニに気をつかってか・・は分からないが、
取り合えずカイルの攻撃にストップをかけた。

「あ、ごめんっ。」

そんな素直なカイルを見ると、ロニは余計悲しくなるのだった。




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その夜、結局食事をとった場所で眠ることになった。
焚き火を囲むように眠り、1人は交代で見張りをする事になった。


もう0時を回った頃だろうか、それまで見張りだったロニの交代の時間のためジューダスが起き上がった。
といっても、ジューダスが本当に眠っていたのかは分からないが。



「交代だぞ。」
「・・・あぁ・・もうそんな時間か・・。」

ロニはまだ暗い。
食事の時の話を、まだひきずっているのか。


「お前、まだひきずってるのか?」
「え・・?あぁ・・まぁな。」

スヤスヤと眠るカイルを確認して、続ける。


「俺とカイルは、小さい頃から同じ家で育ったんだ・・。
ルーティさんとスタンさんっていう・・お前も知ってるだろ?四英雄の。
あの2人に育ててもらって、カイルと俺は、血はつながってないけど兄弟みたいなもんなんだ。
だから・・ちょっとショックだったのかもな。」


ジューダスは何も言わず聞いている。

「はぁーーっ、俺らしくねぇよな、こんなシンミリするのは!」
そう言って、ロニは立ち上がる。

「後は任せたぜー。じゃ、オヤスミ。」

「僕は・・・」

ロニが寝床に向かいかけた時、突然ジューダスが話し始めた。

「僕はカイルの事、嫌いじゃない。お前の事も嫌いじゃない。
だから、一緒に行く事にしたんだ。
・・だから、お前らがぎくしゃくした関係でいるのを見るのは好きじゃないぞ。」

俯きながら、そう言うジューダスの顔は、どこか赤らんで見えた。
それは焚き火の炎のせいかもしれないが、そんなジューダスに少しドキっとしてしまった。


「ー・・・っ、何ジロジロ見ている!さっさと寝ろ!!」

今度は本当に顔を真っ赤にしてジューダスが怒鳴った。
そんなジロジロ見ている自覚は無かったが、どうやらジロジロ見ていたらしい。

「じゃ・・、おやすみ・・!」


あんなに落ち込んでいたのに、そんな落ち込んでいた自分が嘘のようだった。



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翌朝。

「おはよう、カイル!!」

ロニがカイルの肩に手をかける。

「ロニ!おはよう。・・あ、昨日はゴメン・・。」
「あ、良いって良いって。気にすんな!」
「さっき、ジューダスに聞いたよ。昨日の夜、ロニが落ち込んでたって・・。」
「あぁ・・そうだ、カイル・・お前に言う事があるんだ・・。」
ロニは続ける。

「お前、ジューダスの事、どう思ってるんだ?」

「え、ジューダス?そんなの、大好きに決まってるじゃないか。」
「そうか、じゃぁ俺とお前はライバルだな・・。」

「・・は?」
「俺・・気付いちまったんだ・・。俺はジューダスが好きって事にな・・・。」
ロニは更に続けた。

「男、ロニ・デュナミス!数々の女の子に振られつづけて23年、
しまいに”ふられマン”なんていう称号付けられた事もあったが、今回は絶対落としてみせるっ!
見てろよカイル!絶対に負けないからなァ!!」

「ズルイよ、ロニ!!ジューダス独り占めなんて!!!オレだって負けないからなぁ!!!」


始めは小声で話していた2人だが、
何だかもう周りに誰がいるかも忘れて大声で ジューダス争奪戦の宣戦布告を始める始末。


「・・大変ね、ジューダス・・。」

「・・・・・・。」


リアラにも心配され、そんな彼らの旅は、まだ始まったばかり。


「俺は仮面ストーカーだって構わない!ジューダスの全てを受け止める自信がある!!」
「オレだって!それに、仮面ストーカーってのは、中々声を掛けられなかったジューダスの可愛さを表してるんだよ!」




・・・ FIN



☆コメント☆
何だかもう訳ワカメですよ。(は)
ほとんど私の意見をカイルとロニに言わせてるだけです・・。(ぇ)
なんか口調とか変じゃないですかね;
最近D2やってないから不安だ・・。
次はシリアス書きたいな。