浮気発覚!?−中編ー




 「カイル!!何処だ!?カイル!!」


「ロニは宿屋に入るなりドアをバン!と開け、大きな声で叫びました。」

「ロ・・・ニ?」

カイルはか細い声で目を潤ませながらロニの方を向きました。


「カイル・・・、ゴメンな・・・。リアラと付き合ってる・・・ってあれ嘘だからな・・・。
この頃カイル・・・なんだか元気ねえからカイルを元気づける為にやった事なんだ・・・。
本当にゴメンな、カイル・・・。」


ロニは泣きそうな声で頭を下げながら誤りました。 「そうだったんだ、ロニ。気を使ってくれて有難・・う・・・。」
カイルはそう言って顔をうつむかせました。

「・・・どうしてカイルこの頃元気なかったんだ?その・・・俺たち仲間なんだからよ・・・。
相談出来る事なら相談しろよ・・・。まぁ無理にとは言わねえけどさ。」


頭をかき、ははは・・・と笑いながらロニはカイルにそう言いました・・・。

「俺さ・・・」
「ん?」
「この頃俺・・・戦闘でみんなの足引っ張ってばっかりだから・・・だからっ・・・!!」

カイルは目から涙を流しながらそう言いました。



「それ以上は言うな・・・カイル・・・。」

そう言ってロニはカイルの腕を引っ張ってきつく抱き寄せました。
カイルはロニの胸の中で泣き続けました・・・。そしてカイルは、



「俺、元気に見えるようにしてたのに・・・ロニはすごいや・・・。」
・・・と誰にも聞こえないような小さな小さな声でそう言いました。




なんだかロニさん手柄を独り占めしている気もしますが・・・。まぁそれは置いておきましょう。


そして・・・




 「カイル!お水持ってきたわよ!」





・・・といきなり悪いタイミングで[あるお方]が現れました。そしてそのお方とは・・・






「リアラ!!」



ロニはそう叫んで急いでカイルから腕を放しました。頭から冷汗まで出ています。

カイルは天然なので何も気づいていないようですが、これはいわゆる[修羅場]なのです。


恋愛感情で抱いた訳では無く成り行き上そうなったとはいえ
リアラの目の前でカイルのことを 抱いてしまったのですから・・・。


手柄を独り占めした罰でも当たったのでしょうか・・・?
そして、リアラは怒った表情で冷たく こう言い放ちました。



「ハロルド・・・ロニの事解剖して良いわよ・・・。」

・・・と。そしてロニは渇いた声を出しながら

「はは・・・リアラも冗談キツイぜ・・・。ハロルドがこんな所に居る訳がな・・・」
そう言ってロニは絶句してしまいました。
なんせいきなり自分の目の前にゴム手袋をはめ、 メスを持ったハロルドが出てきたからです。


ハロルドが出てきた・・・という事はリアラはハロルドがここに居る事を知っていた・・・
つまりリアラとハロルド(+ジューダス)は何処かで出会っていたという事です。



まさかリアラとハロルドが出会っていたなんて・・・。

ロニは不幸としか言いようがありません。



「ぅぎゃああああ!!!」

ロニはそう言ったと同時に一目散に駆けていきました。
なんせハロルドなら本当にロニの事を 解剖しかねないのですから・・・。


そして、しばらくロニはカイル達の元へ帰ってこなかったそうです。



もう少し続く。